「人間裏街道」使用BGM感想
遅くなりましたが、ゲーム「人間裏街道」で使用させていただいたBGMが本当に素敵な曲ばかりですので、使用したきっかけや演出など含めてご紹介させていただきます。
▼ゲーム公式サイト
▼ダウンロード
↓↓《EDネタバレあります》↓↓
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《タイトルテーマ》
♪カノン/甘茶の音楽工房 様
当サイトでも使用させていただいております。静かなテンポから徐々にリズミカルになるパッヘルベルのカノンのような特徴のある曲で、この曲をゲームで使いたい、と思ったことが制作に踏み出すきっかけになりました。ビブラフォンの三拍子からグロッケンが静かに響き、ひやりとした空気感や薄暗さ、孤独や哀愁、といった雰囲気がこの物語にぴったりだなと思いました。TRUE最後はこの音楽を使用したかったので、曲に合わせてエンドロール辺りの演出を考えました。もう何回再生したかもわからないレベルで聴いてます。
《序》
♪青い空と私/甘茶の音楽工房様
アリスがホームセンターで備品を買い終えて家に帰るまでの場面で使用しました。今から死ぬ、といった展開なのに妙に陽気に感じられる曲でアンバランスさが感じられて良いなと気に入ってます。
♪現実の隙間/甘茶の音楽工房様
練炭自殺の準備を開始する時に使用しました。ピアノの演奏が、もう間もなく、といった哀愁漂う儚げな演奏で、胸がぎゅっとなる印象です。また「現実の隙間」というタイトルにも惹かれました。
♪ダークマター/甘茶の音楽工房様
メイがアリスの前に姿を表す時に使用しました。何者かわからない怪しさや恐怖といった感情が駆り立てられるような曲です。ちょっと激しすぎるかなと思ったんですが、アリスの抑えられていた感情が表れる場面には良いなと思っています。
《第一部》
♪静寂Ⅰ/甘茶の音楽工房様
裏街道に辿り着いて住民が襲ってくる場面で使用しました。不安や緊迫感、焦燥感のあるテンポの早い曲で、アリスの心情を表してくれました。
♪欠けた人形の踊り/キュス様
メイの紹介のシーンで使用しました。暗くて不気味だけどメイの明るさの感じられる曲調だなと、まさにタイトルのようなイメージでした。この場面から裏街道で使用する曲調をオルゴール調のもので選曲しております。
♪神聖なる者/しんさんわーくす様
ガラクの初登場時に使用しました。静かなコーラスやハープの演奏から入り、そろっとグロッケンが登場するところがとても好きで、図書館に引きこもり、神聖な空気の漂う無口の美青年、と印象づける曲だなと思いました。
♪小物妖怪の生活/alaki paca様
アリスが好きな本のネタバレをしてしまうシーン他滑稽な場面で使用しました。気の抜けるようなチクチクした曲がちっぽけな印象でかわいくて好きです。
♪Memories of days/すもち様
アリスが夢を見る時に使用しました。オルゴール調の子守唄のように温かい曲で、タイトルの通り懐かしい過去を思い出しているようなイメージが浮かんだので夢のシーンで使用しました。
♪Doppel/PeriTune様
薄暗さ全開でありながら波が一定なので探索時間に使用させていただきました。ダウンロードした際にオルゴールのみ、オルゴールとコーラス、コーラスのみの3種類同梱されていたので、アリスの変化を表すのにいいな、と贅沢に3種類とも使わせていただきました。1、2回目の探索、3回目、4回目、とアリスが裏街道に馴染むにつれて曲も変化していますので、その辺りも注目していただければと思います。
♪Nightmare/PeriTune様
少女に襲われるシーンで使用しました。コーラスとオルガンの不調和音が危機の迫った展開にぴったりでした。またアリスが裏街道に染まる大きな展開でもあるので曲で盛り上げていただけました。
♪ゆりかご/もっぴーさうんど様
ガラクが読み聞かせをするシーンで使用しました。オルゴールがとてもキレイで、アリスガラクメイの三人が現実を忘れて絵本の世界に入り込むようなゆったりした時間が流れている印象ある曲です。
♪かけあし/もっぴーさうんど様
アリスが裏街道についてわかるまでもうちょっと生きてみようかなと思った場面に使用しました。どんな些細な目標でも、明日に向かって、というようなイメージがあるので、終盤でも使用させていただいてます。
《第二部》
♪ブリキのおもちゃ/ゆうり様
アリスが表で部屋の探索をする際に使用しました。グロッケンの楽曲で探していた時に出会ったのですが、裏街道には明るすぎるけど表なら使用できるな、と。木琴のポコポコしたリズムと歯車のコミカルさがブリキというイメージでとってもお気に入りです。
♪赤い風船とメリーゴーランド/甘茶の音楽工房様
ガラクの正体がわかる場面以降、キャラクターの過去のシーンで使用しました。セピア調の過去といった印象が感じられ、時に辛く、時にまぶしい過去が演出できました。
♪Look at me/ハシマミ様
ビブラフォンの不気味で不安気なイメージが、アリスのメイに対する不信感や恐怖を表すのにいいなと使用しました。暗闇の中で身を縮めながら一歩一歩踏み出すような、トンネル内や屋上の謎を解く手探りなアリスの場面でとても映えました。
♪開かずの子供部屋/キュス様
メイの実年齢が発覚した時に使用しました。オルゴールのテンポの遅めの曲調が、胸が圧迫されてチクリと刺さったようなアリスの心情を表現してくれました。
♪4歳の記憶/yuhei komatsu様
アリスがメイをおんぶしてアパートに戻る時に使用しました。子守唄のようにオルゴールの心地良いメロディで、でも切なさも感じられました。メイの実年齢を知ったアリスが胸を打たれているが、対照的に背中のメイは気持ちよさそうに眠っている場面にあっていると思いました。
《第三部》
♪Suspense6/PeriTune様
アパートの屋上の謎がわかる場面以降、恐怖や戦慄、といった場面に使用しました。コーラスと伴奏が果てしなく不気味だったので(すごく褒めてます)かなり演出がしまりました。
♪Play_Organ2/PeriTune様
アリスが女の子を助けるシーンで使用しました。パイプオルガンの悲壮感ある演奏が「終末感」が強くて、物語の分岐点としてすごくしまる演出になりました。
♪少女霊/甘茶の音楽工房様
女の子と森に入る場面で使用しました。森に住む妖精、のような神聖さが感じられ、今までの不気味さから一転して演出できました。
♪ChoirWaltz/PeriTune様
ミカとアリスが出会い、アリスに変化が顕著に表れはじめる場面で使用しました。一度聴いただけでコーラスの不気味さが脳に刻まれて使うならこの場面しかないな、と思いました。不気味さのある曲はほとんどPeriTune様の曲を使用させていただいてます。ほんと、いい感じに不気味で怖くて素敵なんですよ。
♪朽ちた世界/roku music様
ガラクが足に怪我を負い、そしてガラクの過去がわかる場面で使用しました。雨の降り注ぐような暗くて重い展開にぴったりの静かな曲で、(本当は曲使用しない場面だったのですが)展開に色を添えていただけました。
♪哀歌/ハシマミ様
ガラクの表に帰る決意を語る場面で使用しました。オルゴール調の哀愁漂う辛くて悲しい曲なんですが、どこか光の差したような、希望のような印象も抱いたので、ガラクの目的のわかる、終盤の局面に使用したいと思いました。この曲も大好き。
♪悲しみの連鎖/甘茶の音楽工房様
ガラクとメイが衝突する場面です。激しめの曲調がメイの焦りだったりアリスの困惑だったりを表してくれました。物語の山場であり、最高に盛り上がる展開にできたなと満足してます。
♪Phantom/Cloria Sound Labs様
メイの最期の場面で使用しました。ピアノのメロディがとても印象的で、一度聴いただけで強く脳内に残りました。ガラクとアリスの動揺も感じられる場面にあってると思いました。
ちなみにこの辺りから選曲を、オルゴール系からピアノ系で選んでます。
♪紫苑-追憶-/カワサキヤスヒロ様
出来心で名前のタイトルの曲ないかな〜と調べた時に出会った曲です。アリスが表に帰るトンネル前で使用しました。ピアノ伴奏の明日への希望といった力強さの感じられる曲で、ミカに背中を押されてトンネルをくぐるアリスの場面にぴったりだなと思いました。でき心で調べましたが素敵な曲に出会えてよかったです。
♪Hesitation/PeriTune様
ゲームがほぼ完成した段階でBAD用にBGMほしいなとサイトを覗いたときに出会いました。BAD1、2、そしてもう一箇所で使用してます。「悲劇」という言葉を具現化したかのようなピアノのキレイで悲しい曲で、胸が詰まるような感覚になります。PeriTune様の曲は不気味さや怪しさのある雰囲気の曲を中心にお借りしていたのですが、この曲は儚さは感じられつつもクリアで対照的だと思っています。
♪Coppelia_Room/PeriTune様
BAD4で使用しました。こちらもゲームがほぼ完成した段階でBAD用に曲を探している時に出会いました。確か2月に公開されたばかりの新曲です。不気味だけど陽気なコミカルな感じがすごく気に入ったので、BAD4の展開にあうなと即使用決定しました。
♪Fear/PeriTune様
BAD5で使用しました。こちらもゲームがほぼ完成した段階でBAD用に曲を探している時に出会いました。もう救いようのないくらいに暗くて悲壮感ある曲でアリスが裏街道に染まりすぎた展開を演出してくれました。
《第四部》
♪水槽に沈む月/甘茶の音楽工房様
第4部のレンタルショップへ行くまでの自由行動時に流れる曲です。この物語には少し明るいかなと思ったのですが、この時の探索は眩しくてきらきらさせたかったのと、何よりこの曲が使いたかったので使用しました。ピアノの伴奏から始まり、フルートが入ってくるところが、すごく好き!!最後もED感があってしまる!!ちなみにTRUE確定後のご褒美として全てのモブに顔グラあったりとかなり気合を入れました。
♪雪解け/甘茶の音楽工房様
アリスがガラクと部屋で過ごす場面で使用しました。ハープとフルートのゆったりした演奏が、最終日の時間の流れを表しているようで、二人のギクシャクした関係が雪解けのように溶けたイメージにあっていました。
《終》
♪夢の名残り/甘茶の音楽工房様
TRUE確定後アリスが受験を終えて帰路につく場面で使用しました。初めて聴いたときに抱いた印象が「卒業式」だったのでこの曲は最後に使うぞと決めていました。卒業式の別れや悲しさ、そして次への希望みたいな光ある曲でこの場面を演出できました。
♪記念樹/Notzan ACT様
TRUE最後のガラクと再会する場面で使用しました。ピアノからフルートと移り変わっていくんですが、なんか「再会」という感じがしませんか。涙が出てくるくらいキレイで感動的な曲です。イントロからピアノの入ってくる場面がすごく好きで、曲に合わせてスチル表示のウェイトとかめちゃくちゃ調整しました。そのおかげですっごくいい演出になりました。制作中ずっとリピートしてました。ほんとに大好き。
《ゲームオーバー》
♪語られざる過去/Make a field Music様
ゲームオーバー時に使用しました。ゲームオーバーに合う曲で調べた時に出会いました。時計のようなカチカチした音とタイトルがゲームオーバーだな、と世界観に合っているなと使用しました。
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統一感出すためにも、はじめは「カノン」と出会った甘茶の音楽工房様で使用する曲を選ぼうと思ったのですが、フリー音源を調べるほど素敵な曲に出会い、気づけばすんごい量の曲をお借りすることになりました。フリーだからこそできる贅沢な使い方だ。音源お借りできなければゲームは完成していなかったので、本当に助かりました。
私が欲張りゆえに結果色々な方の曲をお借りすることになりましたが、裏街道にいる場面はオルゴール調の曲、終盤ではピアノ、と決めて選曲したのでまとまりは出たかなと思ってます。