

成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」5日目:スーパーアカハラ
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「4日目:激安賃貸アパート」 【5日目:スーパーアカハラ】 五日目の夕方。僕は近所のスーパーへ向かっていた。 昨日の掃除の疲れがあったのか、久し振りに家に帰ったからか、午後に起きるという罪深い行為をしてしまっ...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」4日目:激安賃貸アパート
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「3日目:ロビー」 【4日目:激安賃貸アパート】 四日目。僕は退院し、自宅へと向かっていた。 この周囲は下宿生が多く、辺り一帯、激安賃貸が立ち並んでいる。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」3日目:ロビー
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「2日目:屋上」 【3日目:ロビー】 僕が生き延びてしまって、三日目。 十五時の検診が終了し、閑散とした廊下を歩く。 脳には特に大きな影響はなく、意識もはっきりしていることから、無事明日退院することとなった。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」2日目:屋上
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「1日目:病室」 【2日目:屋上】 二日目の午後。僕は病院の屋上に上がっていた。昼下がりの太陽が肌を照らし、ほどよい暖気が訪れる。 柵から街を見下ろすと、縦横無尽に歩く人の姿が目に入った。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」1日目:病室
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「0日目:踏切」 【1日目:病室】 窓の外からチュンチュンと声が届き、眩しい太陽が室内を照らす。 自宅とは違う白くて清潔なふとんから新品の香りが鼻孔を擽る。今日は花粉が少ないのか、開いた窓からは爽やかな風がゆ...