

成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「コールドゲームは望まない」第一試合 部活動vs自分
爽やかに夏を駆け抜ける青い物語。 ←前「プレーボール」 【第一試合 部活動vs自分】 「一年、ペース落ちてるよ」 ストップウォッチを所持する先輩が叫ぶ。 怒気の孕んだその声に、私たち一年生は「はいっ」と背筋を伸ばして速度を上げた。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「コールドゲームは望まない」プレーボール
爽やかに夏を駆け抜ける青い物語。 ←前「登場人物」 【プレーボール】 快音が鳴り響くたびに喚声が上がった。 情動を掻き立てるアナウンサーの実況や、蒼天に響き渡るブラスバンドの楽音が、清夏を謳歌する球場をより一層盛り立てている。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「コールドゲームは望まない」目次
陽葵は、テレビで見た甲子園をきっかけに、「自分もあの場で選手を応援したい」と夢を抱き、強豪である紫野学園高校への進学及び吹奏楽部に入部する。 だが待ち受けていたのは、ハードな練習にシビアな上下関係、と厳しい現実だった。 心の折れかけていた陽葵だか、ふとしたきっかけである球児...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」7日目:藍田川【完結】
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「6日目:公民館」 【7日目:藍田川】 コンビニで購入していたパンを食べ終えると、公民館を後にする。 一時間ほどで地元の紅原区に辿り着いた。 レンタカーを返し終えると、僕らは向かい合う。...


成瀬 紫苑
- 2022年5月4日
「綱渡りの一週間」6日目:公民館
僕の自殺を止めたのは、無邪気な顔で笑う見知らぬ高校生だった。 ←前「5日目:スーパーアカハラ」 【6日目:公民館】 六日目、すっかり日の落ちた午後八時半。 僕と庵次は、公民館前に立っていた。 「すげ~自然っすね」 庵次は助手席から降りながら感嘆の声を漏らす。...